☆山男(女)は歌が好き
大分前の章で、ラベルで言えば「山の歌」、と言うのが有った。題名は「雪山賛歌」だ。文字通り、昔々山で歌った歌を羅列したのだ。
其処では、登山者は皆山で歌を歌うのが好き、が前提になって居た。そう、昔は誰でもそうだった、山では何かと言うと歌った。歩いて居てすらも歌った。キャンプ地なぞでは合唱の輪が出来た。
街には歌声喫茶なるものが有って、大勢がアコーデオンに会わせて思いっ切り歌って居た。熱い時代だったんです。
今じゃあ歌声は絶えた。全滅ではなかろうが、キャンプ場でも歌声を聞いた事が無い。笑い声は聞こえるんだけどね。どっかで誰か達は山の歌を歌い続けて居ると思いたいのだが、私の知る限りでは、無い。
従って、これは間違いって事でしょう、残念だけどね。
色々並べて見たが、結局昔々の登山者像だった訳だ。それも私の抱いて居る登山者像なのだ。自分で提示して、時代が違うと自分で否定する、って馬鹿な結果になったのは当然の事だろう。
散々述べたが、登山と言う行為自体が変貌を遂げた。街のグランドの延長かと思われる程なのだ。トレイルランにしても山はフィールドに過ぎない。殆ど荷物も持たず、厳しいレースでは二十四時間、半走りに頑張りぬく。
大自然の中を行く、と言う感覚から大きく離れて仕舞った。そして其の舞台も段々と高山へ移りつつ有る。今に北アルプスで空身に短パン姿の選手を見掛けるかも知れない。もう既に走って居るかも、で有る。
私は随分と古くなったのだろう。未だに山には畏敬の念を持つべきだ、と思って居る。ちっぽけな人間なんざ、大自然に生かされて居ると確信してるのだ。
従って、山男(女)に対する勘違いが、事実で有って欲しいと真剣に願って居るのです。
(此の章終わり)
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