2016年10月11日火曜日

休題 その百七十九




 Toは小さい乍らも蒲田の工場主だ。日本の技術を支えて居る一人なのだ。あたしなんざ何も支えてない。Toに登山用具が集まるのは、其の差なのだろうか? 確か、リュックも町会の仲間に貰ったとか。
 其れは良いだろう。確りした物で固めるのは基本だ。底が剥がれる靴や、背負い紐の切れるリュックや、雨の漏る雨具では話にならない。
 一方あたしは普段使いの物を山で使うタイプだ。現に其の日も、長靴を履いて居た。雨が本降りだったので地下足袋ではグチャグチャになる。じゃあ、長靴で行くべえさ。歩きにくいだろうって? 其れが何さだ、へん。
 うーん、登山用具が集まらないのも分かる気がする。山道具に嫌われちまうんだ、きっと。だもんで買い物も今一つなんだべよ。
 買い物と言えば“名人Y”。良い物を安く買うとは何度も書いた。その裏には、しょっちゅう山道具屋を覗くと言う努力が有る。
 お盆の大室山に新品の羽毛シェラフを持って行ったとは紹介済だ。夏用を二つ買ったのだ。ダブルで使えば雪山でも充分通用するし、冬山用を買うよりずっと安い。
 随分前からそうする様に薦めて居たのだが、其の訳はYの化繊のシェラフがかさ張るだ。保温力には問題無いのだが、小さくならずにパッキンの時は何時も大汗をかいて居る。
 そして丁度シェラフの安売りをして居る時に、夏用を二つ購入したのだ。此処までは良く分かる。えーーっと驚いたのは、三シーズン用羽毛シェラフも安かったので、つい購入したと言う事だ。
 三つもまとめて羽毛シェラフを買ったてえのけえ? そういう事。ね、驚くでしょう、普通は。
 尤も、三シーズン用と夏用を組み合わせれば本格的冬山でも使える訳だから、一度冬山へご招待でもしますかな。(続)

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