2016年8月17日水曜日

休題 その百七十三




 一番人気のシン・ゴジラを妻と観て来た。祝日だったのでほぼ満員、二列目に二つ並んだ空席が有ったので、其処に収まった。
 エバの庵野監督、あたしは彼の演出を割と好きなので、テンポ感は大変良い。
 シン、なのでゴジラシリーズとしてはリセットされて居る。今迄のゴジラは核兵器の象徴と言われて居たが、シンでは違う様だ。災害か、敵に依る奇襲攻撃と言った処だろか。
 想定外の出来事に右往左往する政府の姿はリアルで有る。現実に日本が奇襲攻撃を受けても、法整備も準備も不備なのだから、ああなるだろう。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と下手な作文の様な前文が示す通りに、平和を愛さない諸国民の存在を、全く想定して居ないのだから。
 現実にゴジラが街を破壊して居るのに、首相は治安出動発令を躊躇う。そうでしょうとも。武力による解決を放棄した国なのだから!
 子供も多少入っては居たけど、子供向けとは思えないので、きっと詰まらなかっただろう。其の代わり大人には面白い筈だ。九条信者が観ても面白いだろう。相手がゴジラなんで、戦争ではないのだからね。
 自衛隊施設部隊の出動に当たって、送別の言葉に「自衛隊は国を守る最後の砦だ」と。全く其の通りだ。相手がゴジラなら本音を幾らでも吐ける。
 エンドロールに古いゴジラ曲を流した。多分当時の録音を其の侭使ったものだろう。其れが効いた所為も有るだろうが、“終”の文字が出て明るくなる迄、誰も立たなかった。
 前述だが、詰まらない映画だと、エンドロールと同時に一斉に立つ。面白い映画だと誰も立たない。これは見事に当たる。
 第一回目のゴジラに匹敵する優秀作品だと評価します。

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