2016年8月10日水曜日

閑話 その百九十九




 前の百九十八でYと高取山に登って、里湯で入浴後に小宴会になったと書いた。其時、お盆には久しぶりに大室山へ行くと決まった。
 何度も登って居る、神ノ川ヒュッテに車を停めて、一気に行くルートだ。頂上に達したのは二度程で、後は途中で幕営して帰って来て居るのだ。いやあ、無闇と登りが続くので、ココイラでいいべさ、とテントを張っちまうで、情けねえ話だななあ。
 前回は二年前のお盆、矢張り頂上は踏まずに帰って来た。Yが両足共つったのだった。結局テントで宴会で、翌朝下山で有る。
 此の下りでYは膝が笑って苦しんだ。登りで相当痛めつけられて居たからだろう。真夏なもんで仕方が無い。
 里湯で其の時の話になった。Yは京急線の新馬場に家が有る。品川駅で乗り換えの為歩いて居て、一寸とバランスを崩したら尻餅をついた。青年が二人駆け寄って、「大丈夫ですか!」と心配してくれたそうだ。
 膝が笑うとは足の筋肉に力が入らない状態を指す。従って一寸とした事で腰砕けにる。幕営具一式を背負って居るので後ろに惹かれて、尻餅をつくのだ。
 新馬場に着いて尻餅をつき、家の前で尻餅をつき、家に帰ってコップを取ろうと食器棚の戸を開けた時一寸と頭を反らせたら、其の侭モロに尻餅。
 話す方も聞く方も大笑いで有る。そうしょっちゅう尻餅をついて居ては堪らない。「どうしようも無く崩れ落ちちゃう」とはYの弁。
 そうでしょうとも。あたしも丹沢の天神尾根を下って膝が笑い、危うく尻餅をつく処だった事が有るので、良く分かる。どうにも力が入らないのだ。
 同じルートを同じ時期にやる訳だ。梅酢を水割りにして持って行って上げよう。足のつりは防げるだろう。そうすれば翌日の下りも無事な筈だが、さて、どうなりますやら。

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