閑話 その百八十七

　古い山仲間、Ｓ、Ｋと去年に続いて飯山観音から白山、順礼峠のルートへ行って来た。今年はバッチリ新緑の候だったが、天気が今一つ、思う様には行くもんじゃない。

　昔はバリバリのパーティだった我々三人も、今やボロボロに成り果てた事は何度も書いた。Ｓは登りに苦しむ、Ｋは下りに苦しむ。登りも下りも駄目なパーティなのだ。

　予報が外れたらしく本厚木ではほんの小雨で、昼迄は時々降られた。大した降りでは無いのだけど、煌めく新緑は無しって事。

　白山で２８３，９ｍなのだから本当の低山歩きだ。その癖アップダウンはちゃんと有る。普通の山並みにで有る。結構面白いルートとも言える。植林が少な目なのも良い。

　そう言えば朝バスを四十分待つ事になり、外の路線は無いかとバスルートを見てワイワイ言ってたら、若い神奈中の運転手がバスから降りて来て何処へ行くのかと聞いてくれた。

　飯山観音入口と答えると、此のバスで二つ前迄行くから、後は真っ直ぐ行けば良いと教えてくれた。で、其のバスで行ったのだ。

　あたしはこういうのに弱い。わざわざバスを降りて聞いてくれるなんざ、出来るもんじゃない。知らん顔してるのが普通だろう。若い運転手さん、有り難う！

　天気がどうもね、だった所為だろうが、人が居ない山だった。絶好の季節なのに、会ったのはこっちと同じ男三人のパーティのみ。自分の事は棚に挙げ、男三人で山歩きかよ、何が面白いんだ？

　へへへ、ついそう思っちゃうんだが、自分の鏡だよね。

　帰りは本厚木で結構飲んだ。ＳもＫも飲んべなもんでどりゃー厄介でかんわ。いや、こりゃあ本当の事だがね。嘘なんかでにゃーがよ！