2015年7月23日木曜日

休題 その百四十八




 腹膜炎の手術は下腹部を横に20cm、臍下から縦に15cm程切って行われた。穴を塞いで洗浄した腸を戻して塗ったわけだ。
 従って腸が収められた部分がポッコリと膨らんだ。それも歪んで膨らんでいる。そのうち落ち着いて旧に復すると思っていたが、一向に其の気配がない。
 まあ、時間がかかるのだろうと思ったが、ひょっとすると腹筋を切断したのだから、一生此の侭なのでは、と思い至った。筋肉が切断されると、復旧は不可能な筈だ。
 あんれー、情けねえ事になっちまったもんだよ。まあまともな腹筋だったのがポッコリ歪み、尚且つ縫い目付きが一生のおらの売りもんけえ(涙)。
 仕方が無い。死ぬ処だったのだ。生きてるだけ増しってもんさ。
 下腹ポッコリに慣れれば良いのだ。歪んでる位何さ。今迄だって、決してダンディに生きて来たのではない。どちらかと言うと、小汚い恰好でやって来たのだ。
 と思って納得してるのだけど、何だか一抹の寂しさを感じるのは、凡人の常なのでしょう。

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