2015年4月25日土曜日

閑話 その百五十四




 同じく二月、三ノ塔から烏尾へ行き、荷揚げ用のボサっぽい路を下った。本文でも触れたが、雨が零度以下の環境で降ったもんで、枝や葉に氷の被膜が出来る事になった。
 とても珍しい現象だ。あたしも此の時一度見たきり。地面には雪も霰も、痕跡すら無いのに、木々は氷の鞘に覆われているのだ。珍しい景色を見られて、とても嬉しい。
 嬉しくないのは、下りの荷揚げ路がボサが被って居た事だ。本文の通り、氷水を浴び続けて林道に降り立った時は、寒くて冷たくて、震えが止まらなかったと言うお粗末。
 三月、長者舎の近くから尾根に取り付き、固い雪を踏み乍ら大室山へ登った。犬越路から下って車に戻った。
 此の時は未明に出発したので、中央フリーウエイで夜明けを迎えたが、其れは荘厳だった。バックミラーで見たんだけどね。
 さて、同じく三月。又もや未明に出発、中央道から中津川林道に入って車を捨て、天王寺尾根を登って丹沢山へ、塔ヶ岳から長尾尾根を下って車に戻った、と有る。
 大室山で寒い雪道は堪能しただろうけど、又もや丹沢山へ出掛けた訳だ。四十歳とは、六十七歳とは違うってこってす。
 四月です。白石峠入口で車を捨てて、檜沢を詰めた。うーん、四月から沢に入っていたんだ。今なら、寒くてやだなあ、となる。若いとは素晴らしい事なんだ。
 此の沢も本文で触れた。詰め上げで苦労して、手を泥に突っ込んで足を蹴込んで、崩れ落ちる前にシャカシャカと登るのだ。説明は不能、やって見て、としか言えない。
 YやAに状況を一生懸命話しても、全く伝わったとは思えない。無理もない。やらなきゃ分からない話なんで。NやIなら分かるだろうけどね。(続)

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