2019年11月7日木曜日

閑話 その三百二



 前回の閑話で源次郎沢に行ってYがヨロヨロに疲れた話を書いた。下りでは転んだりもした。戸沢出会いのテント場は道の崩壊の為、有るのは我々のテントだけで、為に虫が一斉に集まって来て、散々喰われたとも書いた。
 あたしはパンツ姿で表にズボンを干しに出たので、両足共滅茶苦茶に喰われた。痒いの痒くないのって、どっちだよ? って余りに古い突っ込みで失礼。Yは幸いにも両腕だけで済んだ。 筈だった。
 Yは禿げている。丸禿ではないが、寸前と言って良いだろう。その癖床屋は同じ料金だとご立腹だが、その気持ちは良く分かる。面積的に見ても、20%以下でしょうが。
 さて、その日は薄手の帽子を被っていた。沢登りの時、あたしは帽子を後ろ前に被る。詰まりつばが後ろになるのだ。何故かと言うと滝だとつばがひっかかるし、急斜面だと見上げる視界を遮るからだ。尤も、天気の良い日は首筋に日が当たるのが嫌でつばを後ろにしている。結局何時でもあたしは後ろ前♪
 Yの話だった。沢登りの時はYも帽子を後ろ前にするので、前に長さ調整の空きが来る。そこに虫が止まるので払ってはいた、と言う。実際はそんなものではなかった。
 その時は気付かなかったのだが、帽子に虫がわーっとたかって、刺しまくった様だ。悪い事に使い込んで薄くなっていた帽子だったので、帽子の上から喰った訳だ。何と恐ろしくも強烈な奴等なんだ。
 結果、家に帰ったら頭は凸凹、無闇と痒くなって来た。半端無い痒さだったそうだ。それが一月近く続いたと言うから、ただ事ではないですなあ。
 あたしも痒かったけど(頭じゃないよ)せいぜい一週間だった。頭を喰われた事がないからわからないが、固い所程尾を引くんでしょうなあ。本題に入る前の枕が長引いちまったぜ。続きは高取山の話です。

0 件のコメント: