2019年11月13日水曜日

柄でも無い事 その七十七



 JR新宿駅南口構内、小田急線との連絡改札口近くに昔から立ち食い蕎麦屋がある。三十年近く前に入ったが、お決まりの湯通ししたダラーとした蕎麦だった。店員もおっつぁん達で、当時の典型的な駅蕎麦屋だった。
 それからは、しょっちゅう前を通るのだが一度も入った事はなかった。妻も八年程前に入って、余りの不味さに驚いていた。「そうだろう、昔の駅蕎麦そのものさ」と説明した。“あじさい“の別バージョンですなあ。
 三年位前にリニューアルした。一寸と洒落た感じになったが、どうせ不味い蕎麦だろうと思って入る事はしなかった。
 でも通る度に気になってはいて、つい先日思い切って入って見た。店の名前は「そば一」だ。券売機で職権を買うのは変わらない。変わったのはフロントが若い女性になった事と、スタッフも若くなった事だ。あと、店内が綺麗になった事かな。
 ポットに入った蕎麦湯があった。お、生蕎麦になったか! やっと時代に即した店になったのだ。結構感動である。
 蕎麦はちゃんとしていた。JRに高いショバ代を上納しているだろうに、なかなかである。何せ人で溢れている一等地、数で勝負できるのだろう。美味しくなったのだから絶対客は入るし。
 やればできるんですなあ。“味災”はJRの子会社なんだから、その気になれば簡単にまともな駅蕎麦を提供できるのに、その気が無いからダメなんだ、と断定されるのも無理からぬ処だ。だから味災なぞと書かれるのだ。
 ネットに“あじさい”を独禁法違反で訴えられないか、と質問があった。無理だと言ううまともな意見と共に、無視しろ、そもそも入るのが間違い、不味い物を無理して喰うな、等の意見が並んで笑ったw
 駅蕎麦は進歩している。前に甲府の蕎麦の話をしたが、生蕎麦が主流になって行くのだろう。蕎麦好きには嬉しぃ話ですなあ。

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