2019年11月10日日曜日

閑話 その三百三



 Yと高取山へは六度程登っただろう。九時頃から歩き出して里湯に着くのが十二時二十分近辺、三時間以上掛かる。今年の初夏に十二時に里湯を目指したが、矢張り十二時を十五分過ぎてしまった。
 源次郎でメロメロになったYに、自信を取り戻して貰おうと先月三十一日に一緒に高取山へ出掛けた。目標は同じく十二時里湯着。地図上で三時間半なのだから、三十分短縮と言う事だ。普段より十五分短縮である。
 秋晴で爽やかな日だった。流石に蛭は姿も見せない。絶好のコンディションである。良いペースで聖峰、そして高取山に着いた。
 ここからが長い。Yもそこは心得ている。下って登り、下って登り、下って登って下ると、弘法山からの稜線に着く。そこからは道もぐんと良くなり、緩いアップダウンとなる。
 そのあたりからYの歩度が落ちた。それ迄頑張っていたのが、一気に疲れが出たと思われる。それでも何とか歩いていて、吾妻山直前で昼のチャイムが鳴った。十二時到着は成らなかった。
 吾妻山から里湯は下れば良いのだが、Yはアップアップし出した。どうにか里湯に着いたのは十二時二十分、この二十分の壁が破れないものなんですなあ。マラソンでも駅伝でも、一分を削るのが偉い苦労だと聞くが、全くそう言う事なのだろう。
 Yは三日間筋肉痛を楽しんだそうだ。え、今迄は高取山は余裕のよっちゃんだったじゃないかよお。筋肉痛なんて聞いた事もなかったのに、どうしちゃったんだ?
 確かにYは少し太った。専業主夫になって忙しく家事をしたり柴犬の散歩をさせたりしているが、平地で歩き回っても大した運動量ではない、ってこってすな。
 うーん、高取山で参ってしまっては、まともな山には行けない。これは何とかしないと山仲間を一人失ってしまうのです。

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