2017年1月22日日曜日

閑話 その二百十六




 植林道に出た。其の侭下るのが手っ取り早いのだが、歩き易さを優先して植林道を行くと、鉄塔で終わった。鉄塔道だった訳だ。
 背の低い笹の中を尾根沿いに下る。大した下りでは無いし植林より歩き良い。SとKは前途が不安らしい。当然である。
S「大丈夫か?」
私「大丈夫」
 まあ何とかなるもんだ。麓近く迄降りて来ている筈だ。と、鹿避け柵が現れた。此れを越えさせるのは難しいぞ、と見回すと、扉が有った。ラッキーにも柵通過だ。
 切った竹がシイ本ずつ束になって置いて有る。作業所に出たのだろう。
S「あそこ、車の道じゃないのか?」
 見ると、そのように見える唯の斜面だ。
私「違うよ。こっちを行くから」
 緩い斜面のトラバースを始める。
S「道だよ、竹を運ぶ道だ」
 位置を変えて見直すと道だった。
私「本当だ、Sの言う通りだ」
 里に下り着いていた訳だ。どうにもだらしない有様で、首を竦める気分である。しかし無事に(?)下れたのは何よりであった。
 バス通りへは一寸と有ったが、舗装道路なので心配いらない。秦野へ出て鶴巻温泉で途中下車、里湯で入浴する。
 風呂上りは、此のメンバーだと二階ではなく一階の蕎麦屋に入る事が多い。此の回もそうだった。蕎麦屋は高くつくんだが、金に不自由無いSとKは気にもしない。ま、仕方無いとは此の事。
 しっかり飲んでしっかり食べて、再度小田急に乗り込んだ時は夕方近くだっただろう。簡単な“山下り”が思いがけず植林くだりになっちまったのは、あたしの不明の致す処、余計な苦労をKには掛けて仕舞った。
 今年はドジらぬよう致すですよ。

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