2016年2月2日火曜日

閑話 その百七十九




 副題は雪の幕営。経験者は多いと思うが、語るに足るテーマだ。それにまだまだ寒い日が続く。寒い時期には寒い話ですなあ。
 先ずは平らな所を見つける。有るか、そんなとこ! メインルートで幕営地なら別だなんだが、確かに滅多に無い。言い直そう、少しの労力で平らになりそうな所を見つける。
 雪を蹴ったり踏んだり、雪を固めると同時に平らになる様にならすのだ。そしてテントを張る。ペグはプラを使うのが普通だ。あたしの場合は好い加減なので、ペグを横にして埋める。其の上に雪を集め、踏みつける。
 晴れて居れば楽しい作業だ。家に入れるのだから。天候が悪いと、其れなりに手間が、張れば入れるのだ。はっはっは、張り合いが有るとは此の事ですなあ。
 荷物をテントに放り込んでも、未だ靴を脱いではいけない。コヘルとレジ袋に雪を詰めるのだ。春山ならギュッと詰まるので楽なのだが、冬山では幾ら詰めてもスカスカだ。
 其れが済んでから、やっと我が家へ入る。ざっと荷物を整理したら、コヘルをバーナーに掛ける。雪を融かして水を造るのだ。此れがテント設営に次ぐ重要事項で有る。
 春山ならば水気の多い雪がぎっしり詰まって居るので、割と簡単だ。冬山だと、差し水をしなければならない。パウダースノーだから、コヘルの底に微小な空間が無数に出来る。下手に火に掛けると、コヘルが痛む。
 其の上、コヘル一杯の雪が解けても、二分目位にしかならない。従って、様子を見乍ら雪を補充し続ける。たまにコヘルに着いた露も拭き取らねばならない。結構面倒だ。
 とか言って、此の時間が一番ほっとする時間なの。一杯飲み乍ら一服点けて、雪の様子を見守るのだ。大分水が出来て来たら、アルミカップに水を汲み、一時雪融かしは止て、コーヒーを沸かす。ふっふっふ、中々良い時間なのだ。
 水が充分出来たら、あとは普段の幕営と変わらない。夕飯を造って酒を飲み、明日の地図を見直し、煙草を吸って酒を飲む。夕食が済めば話し相手も居ないので、小用をたすついでに景色を眺めて、寒い寒いとテントに戻る。雪を払って靴を脱いで、一寸と面倒だが。
 で、とっとと寝ちまうと言う、シンプルな生活なのです。

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