2016年2月4日木曜日

閑話 その百八十




 前回の続きです。冬の幕営。
 朝を迎えるのだが、冬と春とは大違い、天国と地獄の差、は言い過ぎかな。
 冬なら、シェラフを開けるとバラバラと氷が顔にかかる。息が氷となってシェラフに付いて居るのだ。そしてテントは真っ白な氷の花に飾られて居る。うーん、綺麗だが嬉しくなんて無い。
 前夜にコヘルに造って置いた水は、氷の塊と化して居る。先ずすべき事は、コヘルーナーに掛けて、氷を融かす事だ。
 春ならば、余程の事が無い限り、バラバラと氷に襲われたりはしない。そしてテントに氷の花が咲く事も、ほぼ無い。水だって、水の侭だ。薄氷位は張って居てもで有る。
 いずれにせよ、先ずはコーヒーを沸かす、インスタントだけど文句なんざ言わない、家でもインスタントなんだから。でも、極たまにカップ用のレギュラーの事も有る。すると、テントの中がコーヒーの香りで満たされる。勿論其の方が良いのだが、贅沢は言わい。
 アルミカップのコーヒーは、唇に熱いのが欠点だ。アチアチアチ、となる。冬だと、見る見る冷めるのが良いんだか悪いんだか。
 此のコーヒーを飲み乍らの一服が、朝の楽しみなのだ。でも、コーヒーだけを嗜んで居るのでは無く、チーズなぞも食してカロリーを補いつつ朝飯の仕度をするので、結構忙しくは有る。
 朝食ったってカップ麺なのだ。其れにソーセージやチーカマ。時間を取らずに手間いらずで、此のところ定着したメニュー、思えば哀れなもんですなあ。
 パッパと朝飯を済ませて、ザックのパッキン。テントの中で靴を履き、スパッツも着ける。冬なら皆さんそうだが、春だとテントの外で靴とスパッツ、が普通だろう。あたしは相当好い加減な訳だ。
 ザックを表に出してからが大仕事。撤収で有る。凍ったペグをピッケルで掘り出し、テントを畳む。寒さに弱いあたしの指は、千切れる程の痛みとなる。あー、ヤダヤダ。。。。
 テントを仕舞ってザックを背負い、今日の行程の一歩を踏み出すのです。

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