2016年2月15日月曜日

休題 その百六十二




 熱海の寂れ方は凄い。一時期は新婚旅行のメッカで有った。経済発展につれ宮崎にお株を奪われたが、団体旅行のメッカとなってでかいホテルや旅館が目白押しに並んだ。
 団体旅行の時代が去って、閑散としたホテルと旅館が並ぶ街となった。廃業した大きいホテルも多い。
 仕方無く価格を下げて何とか凌いでいる宿も多い。大変に気の毒では有るが、お蔭であたしら夫婦が様な貧乏人も旅行らしきものが出来る訳なのだ。
 えーい面倒だから名前を出しちまおう。玉ノ井ホテルというのが有る。此処には露店風呂が無く部屋食のみだ。従って妻にはお気に召さず一回行ったのみだ。
 あたしは大いに気に入っている。内風呂が海底風呂と称する大風呂で、薄暗く温泉の出る音のみがゴボゴボと響くのだ。
 妻が言うには「サメでも出て来そうで怖くて駄目!」。あのねえ、温泉にサメはいなだよ!
 あたしは露天も嫌いではないが、薄暗くて広い温泉が好きなのだ。我が家の風呂でも電気を消して暗くして入る程だ。
 詰まり、理想の風呂なのだ。此の件に関しては妻の同意は不可能だ。残念乍ら再び訪れる事は出来ないのだ(涙)。
 もし、サメの出そうな温泉が好きな人がいたならば、一度訪ねたら宜しいかと思う。きっとご満足頂ける事疑い無しです。
 熱海駅から坂を下って歩いて行ける距離だ。物好きな方へのご案内でした。

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