2020年8月17日月曜日

閑話 その三百二十三

 

 暑いと言うのもバカバカしい程暑い日が続く。そんな一日に塔へ登った。数か月振りなので、一番バスで、ゆっくりを心掛けてである。大階段を登り切った時にはもうビショビショ、犬の様にハーハー喘ぐ状態だ。

 花立へ登るがピークがやけに遠い。良く無い傾向ですなあ、と思っていたらつった。太腿である。騙し乍ら行くが、騙せない。持参した小梅干しを三つとも口に放り込み、水をガブッと飲む。それですーっと治りはしないが、後々効いて来るのだ。

 時々ぐっとつるので、休みがてらに上の花の写真を撮っていたら、黄色いシャツの男性に「何て名前の花ですか?」と聞かれ「知らないんですよ」と答えた。彼は呆れただろうw

 やっとこさっとこピークに着いたが、富士は隠れてるし、景色は多少ぼやけてるしで早々に下る。登る途中前後した人達とどんどん擦れ違う。

 十人程の男子高校生グループと擦れ違った。ラストの若者は教師だろう。彼が顧問でクラブの生徒を引き連れて塔にきたな、と勝手に話を組み立てる。話を組み立てるのは、あたしの第二の天性(オーバー!)になった。

 吉沢階段(吉沢平へ登る階段、あたししか使わない言葉)を下っていると、三十代後半と思えるシャキッとした女性が登って来た。黒い服でサングラス、粋な感じだ。擦れ違った時彼女は歩を止め、「登っても登っても階段ばかり」と呟いた。

 ハッハッハッハ、そうでしょうとも! それでこそ馬鹿尾根ですよ。今迄に、その嘆きを一体どれだけの人が嘆いた事やら。本当に馬鹿尾根万歳!ですよね。

 勘違いをしていた。十二時二十八分にバスがあると思って急いだ。何組も抜いた、無理してだ。二十二分にバス停に着いたらバスが出て行った。二十二分だったのだ。がっくりとしてしまった。疲労は見事に一週間残りました。

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