2025年2月22日土曜日

閑話 その四百八十一


 

 又もやネットで拾った遭難話で失礼。先日高取山へ行ったら数日腰が痛んで、情けなくも自分の話ができないので、済みません。

 六年前の七月、四十代の単独女性が雲取山を目指した。初日は三条の湯で泊まり、翌日登頂して下山し帰宅の予定。三条の湯は行きたかったけど、あたしは行かず終いになっちまったです。そんなのどうでも良いですねw

 翌朝三条の湯を出発して暫くで道が別れていた。彼女は間違った道に踏み込んだ。途中で変だと感じたが、強引に進んで足場は悪くなって行く。何故引き返さない?変だと思ったら引き返すのが鉄則だ。そして定石通り滑落した。幸い怪我はなかったがもう戻れない。自分の位置も全く分からない。

 彼女の偉かったのは、行程表を警察と家族に提出していた事。あたしなんかと違いますなあ。従って動き回らずに救助を待つ、と決めた。家族の依頼を受けた警察は三日間捜索し、打ち切った。山梨県警さんよ、一寸と早過ぎねえだか。七月なんだからさあ、生存の可能性は極めて大きいよ。

 家族は警察のアドヴァイスを受けて、民間の捜査隊に救助を依頼した。費用は掛かるが諦められないでしょうが。彼女は山岳保険に加入していたのも助けになっただろう。ここもあたしとは偉い違いですなあ。

 彼女は一日分の食料と水しかなかった。装備はアルミシートのみ。そのシートを被って孤独で不安なビバークが始まった。遭難二日目に水と食料は尽きた。でも彼女は動かなかった。水なしでは三日が限界とされている。水が切れて三日目には小さな痙攣が起き始めた。

 その二日後(遭難七日目)に彼女は発見された。××さんですか?と訊かれると笑顔で答えた。家に帰りましょうと言われて涙を零した。あたしも泣けて来る。動かなかったから水分なしでも耐えられた。家族を、そして必ず救助が来ると信じた結果の勝利です。

0 件のコメント: