2026年6月9日火曜日

閑話番外 その百九十七

 


 日本第二位の高さの山は北岳なのは、言うだけ野暮ですね。位置が面白い事に、南アルプス主稜線から外れているのもご承知だろう。三峰岳から別れた稜線が間ノ岳に至り、南へ長く伸びる。間ノ岳の北に北岳があり、その先は野呂川へ下降するのみだ。

 思えば北岳へは四度登っている。三十代終わりの頃かなあ、大樺沢から登って登頂、ガスで何も見えない。へん、慣れっこだい。その日はガスの中を農鳥小屋迄行って幕営した。地図上九時間二十分だから、当時は何て事ない距離だ。翌日は吹き降りで、農鳥岳を超えて樹林帯に入ってほっとした。風が急に弱まって暖かくさえ感じた覚えがある。

 四十代になってからかなあ、塩見岳から入って熊ノ平で幕営、翌日はド快晴の稜線を北岳へ向かった。その時起きた情けない顛末は本文に書いた。北岳に上ると今迄晴れていた癖にガス。ん、ガスった頂上を見てその侭下ったっけ?忘れてもうただよ。ふん、あたしゃあそんなもんさ。

 五十代になって小学生の倅を連れ、白根御池小屋で幕営、翌日草すべりコースで山頂へ。矢張りガスでがす。北岳山荘で幕営し下山したが、その顛末も本文に書いた。

 六十代になって(何だか十年毎に行ってますなあ)白根御池小屋で幕営、テントは置いて山頂ピストン、その日もそのテントに泊まった。これは”山の報告 北岳”に書いた。途中で出会った青年はその侭下るのだが、あたしがもう一泊するのを羨ましがってましたなあ。ふっふっふ、やれば良いのさ、簡単なんだからさあ。で、この時が初めて晴れた山頂だった。四回目にしてやっと景色が見れた。それだけでも上等でしょう。あたしのこった、下手すっと一回も晴れに当たらなかったかもです。あー、良かった。もう登れっこないし。

 山頂からの眺望は見事。上の写真の中央の山は奥穂高と同率三位の間ノ岳、中央右下に見える小さな赤い物が北岳山荘。実際は凄く大きい山小屋です。詰まらん話、失礼すますた。

2026年6月6日土曜日

閑話 その五百三十八


 

 日本で一番人気の山と言えば、高尾山なんですよ、これがさあ。年間三百万人の登山客が訪れるとヤフーニュースで書いているが、登山客じゃないだろうがよ。ほんの少しは登山者もいるだろうが、殆どは観光客だろう。

 標高は599m、あたしのかってのリハの山(高取山)より少々高い。一応立派な低山に分類される。で、遭難者数も日本一なのだ。令和六年だから一寸と古いデーターだが、一年で百三十一人(!)の遭難者を出している。同年の富士山で八十三人、穂高連峰で六十六人だから、堂々の(?)トップである。

 まあ当然でしょう、山の様に観光客が押し寄せるんだから事故も多くなる筈だ。丹沢では大山が一番遭難者が多い事と同根である。大山は一応中級山岳なんだが、ロープウエイがある為、観光客が多いと言う共通点がある。中には頂上を目指す人達もいて当然だ。何せ頂上迄一時間半しか掛からないんだから。折

角だから頂上へ行って見ようと思っても、極自然な反応だろう。

 処がその一時間半がモロ山道なの。観光客は当然乍ら、ハイカーだって舐めて来ると「こりゃキツいわ!」になる。山歩きに無縁な人なら、即歩行困難に陥る。その場合は未だ良い、その侭引き返すから無事に済む。下手に体力があって登頂できると、下りで動けなくなる。登れても下れないもんだとは、何度も書きましたね。

 高尾山はもっと凄い。スニーカーは良い方、サンダル履きで山道を下っているケースもあると言う。高尾山山頂は舗装されているが、麓からの道は山道である。舗装なんてされてない。舗装されていても急な傾斜が続くのだから、まあ関係ないでしょう。

 下ろうとするとロープウエイもゴンドラも長蛇の列、よし、歩いて下るか、と歩き出すから悲劇が始まる。とは言っても命に関わらないのが、他の山域と全く違った利点ですね。

2026年6月3日水曜日

休題 その六百三十五


 

 ロシアのウクライナ侵略は五年目となった。”特別軍事作戦”と銘打っている都合上、戦争ではないので大っぴらな徴兵はできない。囚人の刑期短縮を条件に募ったり、地方の少数民族を徴兵したり、高給で志願者を募ったりしていたが、限界が来た様だ。何せ、損害を無視した突撃方式を凝りもせずに繰り返すのだから、兵士はどんどん消耗する。

 大都市で徴兵して死傷者が続出すれば抗議の声が噴出するので、大都市には触れたくないのだ。外国人兵士を使うのはロシア政府に取って良い方法である。既に北朝鮮兵士が前線へ送られている。それでも足らない。

 で、アフリカ、インド、ネパール、中東の若者に、高給の運転手や警備員の仕事があると言葉巧みに誘って、兵士にして前線へ送るって事を始めた。これって形を変えた人身売買じゃないの? もし戦死したって行方不明で処理されるんじゃないの? 上の写真はネパール人の兵士。

 地方のロシア人が戦死しても行方不明で処理されて、遺族には一銭も入らないと読んだ覚えがある。ロシアらしいやり方だ。それでも侵略反対の声が上がらないのは、声を上げると逮捕される恐れがあるのと、大都市の住民には無関係な話だからだろう。モスクワやサンクトベルグの住民が、徴兵されない限りプーチンは安泰って訳なのだ。

 とは言っても、別の章で書いたが、ウクライナのドローン技術(含む運用)は世界一の水準に達した。ロシアの産業や石油施設、軍事施設や補給路に確実に打撃を与え続けている。ボデイブローの様に効いて来るだろう。人と金に不足を生じれば、継戦は不可能になるのが世の常。

 三日もあればキーウを落せると踏んだのが、飛んだ間違いだった。逆に考えれば、キーウを落すのは簡単じゃない、ウクライナ全土を制圧には途轍もなく時間と犠牲が必要だ、と知っていらら? 防衛能力は高ければ高い方が良いですよね。