別の章で橋本琴絵氏の本を取り上げた。彼女の本を見つけて購入した。題が「日本は核武装せよ!」、『被ばく三世だから言う』とのサブタイトルだ。一昔前なら本屋に置いて貰えなかったかもですな。
「非核を貫くという信念と、日本も核抑止力を持つ、という物理的事実の対立軸は、宗教と科学である」、と橋本氏は言い切る。続けて「宗教とはあくまで”思想”であり形はない、科学とは物理的事実である。問題は”日本に再度核攻撃をさせない”という目的を実現するにあたって、宗教と科学という全く異なるアプローチのどちらが、国益に資するのかという判断が重要である」と書く。
長くなるが更に引用すると「言うまでもなく、宗教とは同じ信仰心を共有するコミュニティあいだでのみ効力を持ち、科学とは人であろうと動物であろうと無制限に効力を持つ。つまり、日本人が非核を唱えても、核兵器を持つ近隣国の為政者がそのその観念を信仰しない限り、なにも意味はない。しかし、科学であれば、”日本を核攻撃したら自分も核攻撃される”という現実は当然、近隣の為政者と共有できる認識となる」。
リアルに現実と向かい合った文章だ。具体例を上げているが、要約しよう。前の大戦の台湾沖海戦で海軍は大戦果を発表したが、実際は米海軍はほぼ無傷、その戦果を元にルソン島から兵団をレイテに送り、フィリッピンの防衛を破壊した。客観的根拠ではなく、感情や期待という主観的観念論で作戦を実行し敗北した。現在の皮革原則とは”白旗を挙げれば攻撃されない”という期待や感情であり、日本はあの戦争を全く反省していない、と。
全く同意である。相手が聞く耳を持たないで核武装を推進しているのに、日本が核をなくせと幾ら叫んでも、せせら笑われるだけだ。
現に核兵器を放棄した国はない(南アフリカは別、訳は前に書いた)。一読に値する本です。


