エドワード・ルトワックは世界的な戦略学者として各国の軍でもその理論は研究されている。彼の著作「戦争にチャンスを与えよ」に、日本で唯一人の戦略博士の奥山真司が問い掛けた内容を加えた新書版「戦争にチャンスを与えよ」を今更乍ら読んだ。七年前の本なので阿部首相も生きているし、ウクライナ戦争も起きてはいない。それでも彼の戦略論はリアリズムに基づくので、状況は変化しても論理は変わらない。彼の説は偉く逆説的に思えるのだが、それが現実と言う事らしい。
ホメロスの「オデッセイア」と「イーリアス」が一昔前のヨーロッパ人の思想の根本的な位置を占めていた、と言う。特に「イーリアス」は戦士の美徳を教えていて、その上にキリスト教的情熱と戦闘的要素が加わってヨーロッパが世界を制覇した、と彼は説く。
「イーリアス」が説くのは二つのみ、一つは『男は戦いを好む』、一つは『女は戦士を好む』である。成程ね、男は戦いを好み女は戦う男を愛するって訳か。ヤクザ映画でもCIA陰謀映画でもその傾向はありますね。
現在のヨーロッパ(や日本)ではその考えは否定されている。戦争を否定し暴力を嫌悪する。当たり前じゃないかと思うが、彼はヨーロッパ(や日本)の女達は愛する戦士を失って子供を産まなくなってしまった。詰まり『戦士の文化』を失うと少子化が進み、文化に革命的変化がなければ、やがてヨーロッパ(と日本)は滅んで行くと予言する。この説はイスラエルの軍事学者マーチン・フォン・ケレフェルトが唱えたものだ。勿論嘲笑う人が物凄く多い説だが、その嘲笑う人々の多い国ほど少子化に悩んでいるのが現実だ。
アメリカはアイルランド系やスコットランド系、詰まり銃を手放さないと言う人々、そしてヒスパニック系の人々も『戦士の文化』を未だに持っているので、ヨーロッパ程の打撃はない、としている。続きます。


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