承前。『戦士の文化』と少子化の話から始めてしまった。本題は「戦争にチャンスを与えよである。曰く「戦争は巨悪であるが、大きな役割も果たしている」。認めたくない事実だが、戦争が紛争を解決し平和をもたらす事があるから、だと説く。一つの解決に至る迄戦争は続けられる、暴力が積み重なる段階を過ぎた後になってようやく平和をもたらす。
戦争もしくは紛争が起きたら双方疲れ果てる迄やらせる、と言う理論だ。偉く乱暴だが、疲れ果てて終わった戦争もしくは紛争は、再建へと続く。いけないのは第三者によって強制的に休戦させる事、それは次の戦いの準備に過ぎず再建は始まらない。バルカン半島の例で詳しく説明している。
と言う事は何かな、ウクライナの戦いは双方くたびれ果てる迄やらせろってか。その間に多くの人が死んで行くのだが、そうしなければ本当の平和は来ないと言うのだ。「戦争が平和をもたらす」。外部からの介入に依ってあまりに多くの戦争が「終わる事のない紛争」になったとルトワックは嘆く。逆説的にも程があるが、リアルに見ればそうなのだろう。
そうだとしても、ウクライナへのロシアの侵略はどうなんだろうか。トランプ大統領(来年からだが)は即座に終わらせると公約している。詰まり、大国の介入に依って半端な侭で停戦を強いると公約しているのだ。トランプが睨んでいるうちは良いだろうが、彼が去ったら又プーチンが侵略を再開するか、ウクライナが失地回復を試みるかも知れない。ルトワックの理論に依るとそうなる訳だが。
トランプは力ずくで戦争を止めてはいけないって事なんでしょうね。北朝鮮軍を投入し始めたのだから、西側諸国もステージが一段進んだと捉えて、本気でウクライナを支援して、半端な形ではなく、全くロシアが戦争を継続できなくなる迄戦い続けるしかない。今ならルトワックはそう書くでしょう。(続)

