2025年5月2日金曜日

閑話 その四百九十

 


 春の連休前半が終わった。天候は荒れなかったのに、三人も死者が出た。怪我人も数人出ている。下山中の滑落が殆どだ。

 爺ヶ岳では、五十五歳の男性と四十歳の男性が行方不明になっていたが、二人共遺体で見つかった。五十五歳氏は二人で入山し、下山時に別れて行方不明になった。何故別れた?パーティが別れると碌な事がないのは、山岳遭難を見ればセオリーであるのに何でだ。たとえ滑落して骨折しても、仲間が助けを呼んでくれる。一人じゃどう仕様もない。四十歳氏は単独行なので仕方ない。

 冷たい言い方だって?春山の単独行は何があっても自分で何とかするしかない。雪山なんだから。それを承知で行くのが単独行者だ。一つ間違えれば死ぬ。厳しい事実を書きました。

 涸沢では六十歳男性の遺体が見つかった。外傷はないと言うので、突発的病気かも知れない。山でもたまにあるんです。

 大天井では四十八歳男性が滑落した。二日後に救助されたのは目出度い。雪の大天井を知らない人は、何故に大天井で滑落?と思うでしょうが、チッチッチ、雪が積もった大天井は厳しい山になるのだ。夏道は巻き道で楽に通過できる。雪があるとピークに登って降りなければならない。東側は偉く急なのだ。後ろ向きになってピッケルを深く刺し、アイゼンで蹴り込んで冷や冷やと下る。落ちても不思議はない。

 蝶ヶ岳では五十八歳男性が滑落、翌日救助され、足の軽い怪我ですんだのは良かった。その前に同じ蝶ヶ岳で、六十歳の妻が滑落して助けようとした六十一歳の夫も滑落した事故があった。救助されたが夫の方が大怪我を負った。妻を助けようとの気持ちは尊いが、焦って自分の方がより落っこちた。怪我で済んだのは何よりでした。

 どれも下りで滑落している。雪と岩交じりの下りは意外と消耗する。段々踏ん張りも効かなくなる。無理は絶対に禁物なのです。

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