2025年1月23日木曜日

閑話 その四百七十六


  神奈川県は全国第四位の遭難者数だそうだ。箱根で遭難は極めて珍しいので、ほぼ全てが丹沢の事故だろう。中級山岳なのに奥深いので、一つ間違えると遭難になる。

 珍しい所での事故を見つけた。二年前の一月二十九日、小草平尾根での事故である。三人で登山中の女性(66)が右斜面へ120mも滑落して亡くなった。登っていて右だから小草平沢へ落ちたと思われる。

 この尾根は植林帯も多く迷い易いので、道標も取り外されて好き者が通るだけになっている。二股から堀山の家へ一気に登れるが、二股への車乗り入れが禁止されてからは、上記の訳もあって廃道となった。そこを行ったのだから、この三人は結構な経験者と見て良いだろう。小草平沢へは斜面がキツいので、うっかり滑ってしまったのか。一月だ、道(と言っても不明瞭だが)が凍っていたのか。

 廃道になる前に下った事がある。その時も不明瞭だった。下りだと尚更迷い易いので、慎重に下った覚えがある。二股に車を停めてあったので後は楽に帰れた。今は殆どの林道が車両進入禁止なので、昔の様に楽はできない。丹沢の自然保護なので仕方ないです。

 この三人は大倉から一時間半も林道を歩いて二股へ、そして廃道へ踏み込んだのだ。あたしも同じ趣味を持つのでその気持ちは良く分かる。緊張とワクワク感と言えば近いかな。まあ、”好き者”と言えば一番正確で分かり易く、且つしっくりと来るですね。

 好き者でも一瞬の魔に見入られる事もある。いや、好き者こそ危ない橋を渡っているのだ。1mの尾根で滑落したとあるので、植林を抜けた狭い尾根があったのだろう。大昔に通ったので全く覚えはない。そこで滑ってバランスを崩した。矢張り凍っていたのか落ち葉が積もっていたのか。

 亡くなった方はお気の毒だが、冬の廃道は厳しい。未だあたしよりずっと若いのに。

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