佐々木春隆氏、陸士五十四期の将校で、シナを第四十師団所属で転戦、著書に「長沙作戦」「華中作戦」「大陸打通作戦」がある。
職業軍人の著書は読みたくないと、あたしは思っている。上官は士官学校の先輩で悪口は書けず、作戦にもケチを付けにくい。結果、半端な記述と半端な批判、何を書いてるのか分らんどうでも良い内容になる事が多いからだ。佐々木氏は違う。正直に自分の気持ちを書き、先輩の采配にも容赦ない。良いものは良い、悪いものは悪いと明確である。自分に正直なので記述が鮮やかである。
最後の「大陸打通作戦」で終戦を迎える。捕虜となった佐々木氏の師団は、南京の清掃補修の役に着く。その時、氏は大隊長だった。任務は道路の拡張及び修理だった。
南京に入った時は住民の罵声を浴び乍らだった。国民党政府の首都だったので当然だ。「負けても立派な仕事をした、日本人は違うと思われる仕事をしよう」と部下に呼び掛け、きっちりと仕事を続けた。食事は横流しされ、重さを保つ為に小石が入っている。中国兵に難癖を付けられ、乏しい中から物を贈って作業を継続する。横領とタカリである。
そのうちに住民がお茶を出してくれる様になった。氏の連隊は人家のない所で作業したが、他の連隊では格店先に卓を出し山盛りの昼飯を用意してくれる様になった。経理が買出しに行くとどんどんまけてくれ、国府軍には売る物はないと断る。ある町では日本軍に再武装して残って貰いたいと要請され、ある兵はうちの婿になってくれと頼まれた云々。
氏は断言する、南京虐殺なぞテッチ上げだ、本当であれば住民があの様に友好的に接する筈がなく、必ず仕返しをしただろう。人間が人間を短時日で何十万も殺せる筈がない。殺せたと思う人間の方が人間の面をかぶったけだものだ。これは、自分はやるから人もやる、と思うと言う意味だ(余計な注釈失礼)。人間の本質を突いた一文だと思って紹介しました。


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