2024年10月31日木曜日

閑話番外 その百六十八


  あたしは山に行けずに里山ばかりになっちまったが、Yは三月に大山へ登ったきりだ。大山は春山の準備の為だったが、Yが痛風を発症し春山はあたしの単独行となった。その後、残雪の谷川へ行こうと言っていたのだが、痛風が長引き企画は流れた。

 そして、暫くしてYは膝を捻った。前に書いたと思うが(忘れてもうてのお)Yは昔両膝を酷く痛めている。

 一度は樹林帯の道なき下りで根っこに靴を挟まれ、膝を支点に転倒した。結構な斜面だったので膝を偉く捻った。普通の男なら歩行困難になるだろうが、部品が以上に頑丈なYは痛がり乍らも下れた。

 今一度は春山の下り(どこだか忘れてもうてのお)で雪を踏み抜き、膝を支点に転倒した。以下上記と同文。

 その古傷は二十年近く大人しくしていたが、一寸とした捻りで一気に存在を現した。普通の生活はどうにかできるが、山の登降なぞ飛んでもない状態となり、それが未だ続いている。従って三月以来里山さえ行けないのだ。

 秋になったら、せめて大倉高原キャンプ場で一泊して飲もうよって話になっていた。大倉高原ならバス停から四十分だ。スベリ症のあたしでも何とかなる場所ですよ。

 秋になっても膝の違和感は消えないと言う。それじゃあ登れても下れない。膝の捻挫なんて治療法はない。大腿四頭筋を鍛えるしかないのだ。幸いなことにYはリハに励むタイプではない。禿げるタイプではあるのだがw ふざけてる場合ではないですね。

 本気でリハに励まないと、一生膝の違和感は消えないだろう。って事は山には行けない訳で、Yがせっせと揃えた山道具も唯の邪魔物、本人に取ってもそれは残念極まりない事だろう。

 Yの話だがあたしの話でもある。塔が遠い山では話にならんってこってす。

2024年10月28日月曜日

休題 その五百四十九

 


 衆議院選挙は予想通りに自公政権の過半数割れとなった。落選した人達は気の毒だが、恨むなら石破首相と岸田前首相をである。間違っても国民を恨んではいけない。あたしは”石破自爆選挙”と位置づけている。

 総裁選で石破氏対高市氏となった時、右の印象が強い高市氏を避けて国民の人気が高いとされていた石破氏を選んだ時点で、今日が来る事は約束された、と思っている。石破氏のどこが国民の人気が高いってえんだ?

 自民党支持者の全てが自民党支持者ではない(分かりにくい言い方失礼!)。保守層が或る程度な割合でいて、保守的な自民党を選択していたのだと見ている。石破氏首相就任で保守層の何割かは自民を見限った。それに加えて裏金問題で何となく自民に入れていた中間層も逃がした。

 一か月以内に特別国会を開かねばならない。そこで内閣総辞職、首班指名選挙が行われる。自公は石破氏を担ぐ事は、まあないだろう。石破氏では選挙に勝てないからだ。話はコロコロ変わるわ、たっぷり報復人事はやるわ、自爆する程に先が読めないわ、何の考えもないのがバレたわ、目つきは悪いわ、これで総理を続けて下さいと言うバカはいないだろう。

 さて、どうするつまりか。総裁選で石破氏に投票した議員諸君は大いに反省して貰いたい。国民民主か維新と組みたいだろうが、うんとは言うまい。玉木氏を首相にする、と言えば連立もないではないけど、可能性は極めて低い。

 ひょっとして大連立?詰まり、立件民主と組む。野田氏を首相にしてだ。政治の世界は何でもありの様なので。

 維新、国民民主と是々非々で交渉し乍ら、少数与党で頑張る。これも辛いが可能である。首班指名は過半数の必要がないのでね。そして新しい首相の元、衆参同時選挙で信を問う。争点は勿論憲法改正です。最重要事項が今度の選挙でふっとんじまったぜ、ッたく。

2024年10月25日金曜日

閑話 その四百六十五

 


 大分前にS、Kと同期の女性二人で弘法山を目指し、権現山の登りに掛かって直ぐにSがバランスが取れずに下山と決め、一人で下った顛末は書いた。

 長い間山仲間だったSはハイキングも不可能になったのだ。高校時代は体操部で、十字懸垂からくるりと回って着地、力も偉く強くて柔道部員を投げ飛ばす程だった。卒業後はどういう訳か、暫くとび職に着き、気も荒くなって(高校時代から気は多少荒かったがねw)上からビスでも落ちて来ようものなら足場を駆け上がり、落とした奴をぶん殴った。

 山も強かった。酒も強かった。頑強そのものの男も心臓に病を抱えて手術をし、脳梗塞を二度も患うとガックリと弱る。当然である、あたしなんざ一度の手術ですっかり弱っちまったんだから。

 諸行無常です。Sこそ最後迄頑丈だろうと思っていたのだけど。病には勝てない。

 Sは七十差で年賀状を収めた。マメに出ていた同期会も出ないと決めた。一番親しい一年九組の同窓会にも出ないと言う。俗に言う”終活”を、トップ切って始めたものだと思われる。おいおい早過ぎねえのけえ、と言いたいが人それぞれの状態が全く違う。歳云々ではないようだ。

 我々同期生も時間の問題なのだ。皆一斉に七十七歳なのだ、十年後に同期会を開く事は不可能だろう。もう残り時間は大してない。

 とか書き乍ら今一つピンと来ていない自分がいる。何だかこの調子で十年以上は行けるつもりなのだろう。危機意識の欠如、或いは現状認識の欠如だ。良く言えば呑気、楽天家、はっきり言えばバカである。ん、バカは長生きするって言うから、それで良いのかな?

 Sはピンと来ているのだろう。周りの不要な物は整理する。不要な付き合いも整理する。誰もが隔たりなく死を迎える。残った人に無駄な手間を掛けさせないのは大事な事です。