あたしは山に行けずに里山ばかりになっちまったが、Yは三月に大山へ登ったきりだ。大山は春山の準備の為だったが、Yが痛風を発症し春山はあたしの単独行となった。その後、残雪の谷川へ行こうと言っていたのだが、痛風が長引き企画は流れた。
そして、暫くしてYは膝を捻った。前に書いたと思うが(忘れてもうてのお)Yは昔両膝を酷く痛めている。
一度は樹林帯の道なき下りで根っこに靴を挟まれ、膝を支点に転倒した。結構な斜面だったので膝を偉く捻った。普通の男なら歩行困難になるだろうが、部品が以上に頑丈なYは痛がり乍らも下れた。
今一度は春山の下り(どこだか忘れてもうてのお)で雪を踏み抜き、膝を支点に転倒した。以下上記と同文。
その古傷は二十年近く大人しくしていたが、一寸とした捻りで一気に存在を現した。普通の生活はどうにかできるが、山の登降なぞ飛んでもない状態となり、それが未だ続いている。従って三月以来里山さえ行けないのだ。
秋になったら、せめて大倉高原キャンプ場で一泊して飲もうよって話になっていた。大倉高原ならバス停から四十分だ。スベリ症のあたしでも何とかなる場所ですよ。
秋になっても膝の違和感は消えないと言う。それじゃあ登れても下れない。膝の捻挫なんて治療法はない。大腿四頭筋を鍛えるしかないのだ。幸いなことにYはリハに励むタイプではない。禿げるタイプではあるのだがw ふざけてる場合ではないですね。
本気でリハに励まないと、一生膝の違和感は消えないだろう。って事は山には行けない訳で、Yがせっせと揃えた山道具も唯の邪魔物、本人に取ってもそれは残念極まりない事だろう。
Yの話だがあたしの話でもある。塔が遠い山では話にならんってこってす。
