2025年8月23日土曜日

閑話番外 その百七十九

 

 次女が月末に薬師岳に行くと言う。唯、太郎小屋近くのテント場が熊に荒らされたので、現在封鎖中である。小屋前に小さなテント場があるそうだが、直ぐに一杯になるだろう。依って、小屋泊まりの一手になった。

 先日も北海道で、二十代の登山者が熊に殺された。北海道はヒグマである。本土のツキノワグマより大きく且つ肉食なので、危険性は桁違いに大きい。大正時代には、ヒグマに襲われ多くの死者を出した。軍迄出動したが、軍人では熊に全く対応できなかった。結局、熊撃ちの猟師が仕留めた。吉村昭氏の「熊嵐」に詳しい。彼は小説家だが、ドキュメンタリー作品に異彩を放つ。念密な取材がその作品の骨格を成している。

 ツキノワグマだからと言って安心はできない。雑食だから動物も喰う。力が強いから、一叩きされれば人間は大怪我を負う。熊に襲われて怪我をしたが命に別状はない、と記事に出る事が多い。確かに命は助かった。でも、顔面を叩かれれば鋭い爪で皮も肉も削がれる。場合に依っては片目ごと剝がされる。そこ迄の報道はしてくれない。命に別状はない、では済まされない場合もあるのだ。

 地方では熊の出現が増え、犠牲者も増えている。猟師が激的に減っている。従って山岳地帯でも熊の出現が増えている。アルプスは言う迄もなく、丹沢でも熊の目撃が相次いでいて、先日大山のロープウエイ駅近くに現れて、一時運休の騒ぎになった。上の下社駅ではなく下の大山駅ですぞ。土産物街なのだ。

 薬師の稜線で襲って来る確率は極めて低いと思われる。でも、相手次第だ。人を襲って食べたいと思う熊だったら、どう仕様もない。何せ時速40Kmで走るのだから、逃げるのは無駄だ。立ち向かって睨み合うしかない。ああ恐ろしい。次女にできるだろうか。

 と、余計な心配をしてしまうが、北海道ではないので取り越し苦労ってもんでしょう。

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