2025年8月30日土曜日

閑話 その五百五


 

 次女が薬師に行く予定を表銀座に変えた。薬師方面の天候が悪いのと、熊の為だ。二十六日早朝から登った。シーズンには中房温泉へのバスが復活していた。登山ブームのお陰である。一寸と前迄はTAXIしかなかった。

 妻に来たラインでしか状況は分からないが、入山日はガスだった様だ。燕岳を越えて大天井岳は微妙な牧道で越え、大天莊で幕営。景色なしの入山日だった。

 翌二十七日、雨だったと言う。”大雨”だと書いて来たが、まあ、雨だったのだろう、行動できたんだから。あたし等が”大雨”と言う時は物凄い吹き降りで、3000m近い稜線を歩くなんて飛んでもない覚悟がいるの場合を指す。行動は可能だけどお薦めできない。

 東鎌尾根を槍を目指して歩く、表銀座の醍醐味だが、雨じゃ唯々歩くだけ、鎖で下ったり梯子を登ったり、あとどれだけ歩くのかなあの世界だ。次女にしては珍しい。初めての経験かも知れない。地上では暑くて呻いているのに、稜線では寒くて堪らんのですぞ。救いは槍ヶ岳山荘迄地図上で七時間十分である事。これが十時間だったら本当に参る。それでも相当に痛めつけられただろう。テントを止(や)めて小屋に泊まったと書いてある。もう雨の中でテントなんて嫌だあ!

 気持ちはよーっく分かるが、それが登山ってもんだ。上越の春山なら風雨でも雪を踏んでテントを張るだよ。大体からして小屋なんてない!

 幕営予定なのに小屋で泊まれたのは空いていたからだろう。雨の中、予定通りに登って来る人は少なかったと言う訳だ。


 

 幸い翌二十八日は晴れた。槍の穂先に立ったのは次女がトップだったそうで、目出度い。槍で晴れれば文句なしであろう。逆だと悲しいもんですぞ。張れ女の面目を見せてくれた。

 山は晴れたり降ったりガスったり、それが当然なので雨の縦走も必要な経験なのだ。決して嬉しくはないのだけどね。無事で何よりでした。

2025年8月26日火曜日

休題 その五百九十一

 


 今朝の産経新聞一面は「石破首相辞任不要51%」だった。ふーん、産経のアンケートでもそんなもんか、記事が実態とどんなにかけ離れているかを編集者も分かってるだろうに。

 「首相、世論調査結果に自信」とある。あの人間は世論調査を選挙結果より重く見るのか。少しでも自己に都合が良い情報があれば飛びつく、って事だろう。事実上は”四面楚”だもんねえ。

 自信があるなら解散総選挙に打って出れば宜しい。見事に惨敗するだろう。え、根拠はって? 辞任しなくて良いと答えたのは、自民・立民・公明・維新・共産、これらの党支持者が多いからだ。国民・れいわ・参政・保守、これらの党の支持者は反対である。石破君辞めるなとのたまう立民・維新・共産支持者は、自民に票は入れない!

 野党で石破君辞めるなと言う諸君は、彼が首相でいる限り自民は負け続けると読んでいる。そして、彼なら自分達と意見が近い。最高じゃないですか。辞められて堪るか、ですよ。偉く良い首相が誕生したものだw

 野党の支持は分かるが自民党支持者の75%以上が辞任に反対ってえのが、全く分からない。俗に言う”情弱”な高齢者なのか? 自民と組んで甘い汁を吸ってる類か?

 石破自民は、最早立民と大して変わりがない。依ってマスコミは石破内閣に優しい。攻撃するどころか、擁護に回る。トランプ関税だって話の食い違いだらけなのに、巧く纏めたなぞと意味不明に褒める。テレビしか見ない爺婆はそうだと思う。そして、本当の保守層は自民を見離した。従って自民支持者と言っても、本当の(それってなあに?と問われると話が長くなるので割愛)保守層の去った残りカス。言い過ぎですか?

 政党支持率で立民は、国民、参政に次ぐ野党三位に堕ちた。石破君を辞めさせられないなら、自民は割れて石破一派は立民と組め。意見が合うのだからそれで良いのだ。

2025年8月23日土曜日

閑話番外 その百七十九

 

 次女が月末に薬師岳に行くと言う。唯、太郎小屋近くのテント場が熊に荒らされたので、現在封鎖中である。小屋前に小さなテント場があるそうだが、直ぐに一杯になるだろう。依って、小屋泊まりの一手になった。

 先日も北海道で、二十代の登山者が熊に殺された。北海道はヒグマである。本土のツキノワグマより大きく且つ肉食なので、危険性は桁違いに大きい。大正時代には、ヒグマに襲われ多くの死者を出した。軍迄出動したが、軍人では熊に全く対応できなかった。結局、熊撃ちの猟師が仕留めた。吉村昭氏の「熊嵐」に詳しい。彼は小説家だが、ドキュメンタリー作品に異彩を放つ。念密な取材がその作品の骨格を成している。

 ツキノワグマだからと言って安心はできない。雑食だから動物も喰う。力が強いから、一叩きされれば人間は大怪我を負う。熊に襲われて怪我をしたが命に別状はない、と記事に出る事が多い。確かに命は助かった。でも、顔面を叩かれれば鋭い爪で皮も肉も削がれる。場合に依っては片目ごと剝がされる。そこ迄の報道はしてくれない。命に別状はない、では済まされない場合もあるのだ。

 地方では熊の出現が増え、犠牲者も増えている。猟師が激的に減っている。従って山岳地帯でも熊の出現が増えている。アルプスは言う迄もなく、丹沢でも熊の目撃が相次いでいて、先日大山のロープウエイ駅近くに現れて、一時運休の騒ぎになった。上の下社駅ではなく下の大山駅ですぞ。土産物街なのだ。

 薬師の稜線で襲って来る確率は極めて低いと思われる。でも、相手次第だ。人を襲って食べたいと思う熊だったら、どう仕様もない。何せ時速40Kmで走るのだから、逃げるのは無駄だ。立ち向かって睨み合うしかない。ああ恐ろしい。次女にできるだろうか。

 と、余計な心配をしてしまうが、北海道ではないので取り越し苦労ってもんでしょう。

2025年8月20日水曜日

閑話 その五百四

 

 お盆も最終の十六日(土)十七日(日)の二日間で、北アルプスだけで七件も遭難が発生した。何も駆け込み遭難なんてしなくても良いのに。何時も乍ら書き方が不謹慎です、済みません。

 十六日に八峰キレットで女性(51)が滑落した。場所が悪過ぎる。あんな処で落ちたら助かりようもない。翌日遺体が発見された。未だ若い看護婦さんなのに、気の毒に、としか言い様がない。

 同日天狗ノ頭付近で男性(65)が滑落、ヘリで救助された。手の骨折で済んだ。白馬三山を越えて唐松へ向かう途中だった。

 同日北鎌尾根で登れず降りれなくなったと男性(46)から連絡、ヘリで救助された。バリエーションルートだぞ、急峻な岩場なんて当たり前だろうが。実力もないのに危険な所に行くな、と言いたい。二週間位前に、前穂高の南尾根に挑戦して動けなくなった二人連れがいたが、同じ言葉を贈ろう。

 同日男性(28)が唐松岳登山中に道に迷い、通り掛かりの登山者からの連絡で救助隊に助けられた。??? 意味が分からない遭難だ。

 同日小蓮華岳で女性が体調不良になり、救助隊が付近の山小屋に収容。体調不良はどう仕様もない。

 十七日、一ノ沢から常念岳に登ってる時に女性(57)が転倒、小屋迄登ったが痛みがひどくてヘリ搬送となった。膝を骨折していたとの事、良くぞ頑張って小屋迄登った。

 同日女性(57)が八方尾根下山中に滑落、ヘリ搬送。下腿骨折だった。え、八歩尾根だって? どこでも滑落の危険性はあるって事です。バカ尾根で転んだって、下手すりゃ骨折するんです。

 二日間でこれだけ。お盆中ならどれだけになる事やら。面倒っちいから調べないが、何十件にもなる事だろう。救助ヘリも救助隊員も命懸けなのだ。自分の力量に合った山登りを願います。

2025年8月17日日曜日

閑話番外 その百七十八

 


 今日でお盆休みも終わりである。あたしには全く無関係なんだけどねw 現役時代は違った、夏山真っ最中に纏まった休みが取れるんだから。今年はここ、来年はあそこと、南北中央アルプス、八ヶ岳、奥秩父を歩いた。天候が今一の時は丹沢である。上の写真は借り物です。

 主に歩いた時代が三十代から六十代。三十代迄は未だ登山ブームの名残があったが、後はブームの谷間で山は空いていた。今は小屋は勿論、テント場迄予約が必要だ。早く申し込まないと一杯になって断られる。嗚呼、何て恐ろしい話だ。

 ブームの谷間では予約なんて考えもしなかった。小屋に入って「素泊まりです」とか「幕営一人です」とか申告すれば済んだ。まあ、一部を除いて予約の方法もなかったんだけどね。登山者の絶対数が少なかったから可能だったのだ。その代わり乗る人が減ったバス路線は維持不能となり、次々と廃線になった。

 入山、下山には不便だったが、山も小屋もテント場も空いてる良い時代に歩けた、と感謝である。今は有名な山は行列状態、何と冬でもだ! おら そんな山~やだ~

 三十代はブームの名残があった、と書いたが、どこも鮨詰めを覚悟しなければならなかった。名高い稜線は人が続いた。でも、交通機関には恵まれていた。

 多少不便でも空いた山が良いなあ。遠くにパーティが行くのが見える、って位が良いじゃないですか。森林限界を越えた夏山を満喫できる。うじゃうじゃ人がいたら、折角高山に登った甲斐がないってもんだ。

 ピークに登っても誰もいないのも又寂しいから、四、五人は休んでいるのが宜しい。え、贅沢言うなって? 御尤も! でもその位は許してちょーよ。青空の下、雄大な景色を一人で見るのも一寸と寂しいでしょうが。一言二言は言葉を交わしたいですよ。

 夏山よ、又会いたいが無理ですなあ。