2026年8月8日土曜日

閑話 その五百四十六

 


 今年の7月の長野県の山岳遭難件数は七十六件に上った。流石に山岳県である、と言われても嬉しくなんかないだろう。そのうち五十三件が北アルプスだ。遭難のメッカである。え、不謹慎だって? 確かに。でも改めない、遭難はしちゃいけないと思ってるから。

 その元記事がみつからなくなったので不正確かも知れないが、五十三件の四割が疲労や脱水症、珍しくも低体温省で歩けなくなったものだ。まあ、森林限界を越えた稜線で吹かれると、夏でも低体温省にはなりますなあ。

 歩けなくなるって、物凄くはっきり書くけど、自己管理崩壊ってこったろう。歩けるつもりだったんだけど、歩けない。結局救援隊員に背負われるかヘリで救助される。人様に莫大な手間を掛け、ヘリなら地元の人達の税金をジャブジャブ使わせて貰ってるんだ。

 あたしだって歩けなくて愕然としたよ。一昨年だ。それでも、歩ける範囲を図って登り、登頂は断念したが無事に下った。大幅に時間を取って、カロリーも取って、休憩も取って、これなら行けると読んだのだ。自分の様子は自分が一番分かる。滑落や落石はどうしようもないかも知れないが、疲労は管理できる!

 本人が気付かないうちに衰えが進んでいる事もあるでしょう。大阪の五十代女性の話では、夫婦で北アに入って余裕のコースで三日目に北穂登頂、雷雨予報で早々に下ったら夕刻近くなって膝がガクガクになったと言う。一時は”疲労による遭難”の字が頭をよぎったと。ポンポンと小屋があるから大事には至らなかった。本人は「体力に見合ったスケジュールじゃなかった」と述べているが、全くその通りだ。登頂しての下りだから、彼沢へ向けての下りだろう。あんな所で膝がグネリとしたら、命に係わる恐れさえある。無事に帰れたのは何よりである。今年初頭から今月二日迄に、長野県で二十九人の遭難死者が出ているんです。自己管理しましょう。

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