三十四の続きです。
父のアルツは容赦無く進む。家庭内での泥棒騒ぎは良い。良くないのは他人を巻き込む事だ。
父「○くんは元気かなあ」
私「もう亡くなったって、言ったでしょう」
父「え、知らないよ、何で知らせてくれないんだい!葬儀にも行ってないじゃないか」
私「何年も前なの」
父「そんな馬鹿な!信じません、電話して聞いて見る!」
私「昨日も電話したんだよ、迷惑でしょう、毎日毎日!」
父「そんな馬鹿な、電話なんてしてません!」
仕方無く、電話のコードを抜く。
父「電話が変だ」
私「話し中なんだよ」
何て倅だ。電話位したって良いじゃないか。○さんのご家族には申し訳ないが、適当に話を合わせてくれるものを。第一、○さんはお元気だよ、と答えておけば良かったんだ。
……思いやりの無い倅だった。
此れもパターンだ。ご存知だろうけど、念の為に。
父「ご飯は未だかい」
妻「お父さん、今食べたでしょう」
父「食べてません!」
私「今食べ終わったんだよ、ほら、食器が洗い場に有るでしょう」
父「私は食べてないの!」
妻「じゃあ、お父さん、一寸とだけね」
父は又食事をする。
父「お代わりを下さい」
妻「大丈夫なの、お腹を壊さない?」
母「好い加減にしてよ、下痢すんでしょう!」
父「下痢なんかしないよ!」
母「後始末する身になってご覧!」
妻「お母さん、良いから、ね。お父さん、軽くですよ」
父「はいはい、軽くで良いですよ」
勿論下痢をする。逆に便秘になる事も有る。本の通りに食事券を作ったが、意味無かった。お変わり券も作ったが、意味無かった。本人が認めないのだから。
父「知らないよ、こんなの。誰が作ったの?」
妻「夕べ、食事の時に出すって決めたのよ、お父さん、覚えてないの?」
父「知りません!そんな好い加減な事で、ひ、人を騙そうったって、そうは行かないんだ!」
母「誰が騙してるって!え、好い加減に……」
私「(被せて)お母さん、黙って!」
本に書いて有る事は悉く試して、悉く効果は無かった。人と状況に依って変化するものなのだろう。当たり前と言えば当たり前だ。教科書通りに行けば苦労は無いと言う事。長くなりましたので、続きます。済みません(ペコリ)。
